少し前公開が終わってしまったのですが、どうしても書きたかった作品です。
始めこの作品に出会ったのは書籍でした。
その時には既に映画化が決定しており、帯が巻かれていたのを覚えています。
書籍の方を読んだとき、それはもう衝撃的でした。ストーリーの構成、主人公の愛らしさ、一節一節からひしひしと伝わってくる温もり、全てが心に響いていました。
その世界が映像化されるのかと思うと少し怖かったです。
あれが完璧に映像化できるのか、観終わったときがっかりしたらどうしよう。
その不安は見事に覆されました。
儚げでおぼろげな表現が最高に上手で、音楽も美しくて映像をより引き立てており、「ここはお涙頂戴シーン」という押しつけがましいものも感じられず、思わず何度も涙を流しました。友達と観に行かなくて良かったです。
ただ、ひとつ難癖をつけるなら「世界から何かが消える」シーンの表現はあまりいいものとはいえませんでした。
本当なら主人公も気づかないくらいパッと消えて欲しかったんですが、映画での表現はあまり私は好きではありません。
でもそこを除けばほとんどは「最高」でした。
もう少し評価されてもいい映画だったのではないか、とも思います。